フリーランスにも労災保険は使える?——特別加入制度の仕組みと対象者
フリーランスは原則労災保険の対象外だが、特定業種は特別加入制度で加入できる。対象業種・保険料・手続きの流れを解説。
フリーランスは原則、労災保険の対象外
労災保険は本来、労働者を雇う事業主が加入し、従業員のけがや病気を補償するための制度です。フリーランスは「労働者」ではなく個人事業主として扱われるため、原則として労災保険の対象にはなりません。仕事中にけがをしても、会社員のように治療費や休業補償が自動的に受けられるわけではなく、収入が途絶えるリスクを自分自身で負うことになります。この点は独立を検討する際に見落とされがちですが、体一つで収入を得るフリーランスにとって、けがや病気による働けない期間のリスクは会社員以上に大きい問題です。
特別加入制度で対象になる業種がある
ただし、一定の業種については「労災保険特別加入制度」を利用することで、フリーランスでも労災保険に加入できます。対象となるのは、建設業の一人親方、個人タクシーやトラック運転手などの運送業、大工・左官などの職人、ITフリーランス(2021年の制度拡大で追加)、フードデリバリーの配達員などです。加入するには、特別加入団体(労働保険事務組合や各種団体)を通じて手続きを行う必要があり、給付基礎日額(保険料や補償額の基準となる日額)を自分で選択して申請します。IT系のエンジニアやデザイナーとして独立する場合も対象になり得るため、該当するかどうかを一度確認しておく価値があります。
対象外の職種は民間の所得補償保険で備える
特別加入制度の対象業種に当てはまらないライター・コンサルタント・士業などのフリーランスは、労災保険に代わる備えとして、民間の所得補償保険や就業不能保険を検討するのが現実的な選択肢です。これらの保険は、病気やけがで働けなくなった際に一定期間、収入の一部を補償してくれる仕組みで、フリーランス向けの商品も増えています。独立前に、自分の職種が特別加入制度の対象かどうかを確認し、対象外であれば民間保険での備えを検討しておくと、収入が途絶えるリスクへの備えがより現実的になります。
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