フリーランスは就業不能保険に入るべき?——病気・ケガで働けなくなったときの備え方
フリーランスには会社員の傷病手当金に相当する制度がない。就業不能保険の仕組みと検討ポイント、代替手段を整理する。
会社員であれば病気やケガで働けなくなっても、健康保険の傷病手当金によって給与の約3分の2が最長1年6ヶ月支給される。しかしフリーランスが加入する国民健康保険には、この傷病手当金にあたる制度が原則存在しない。働けない期間がそのまま収入ゼロに直結するのが、フリーランスという働き方の弱点のひとつである。この記事では、その備えとして検討されることが多い「就業不能保険」の仕組みと、加入を判断する際に確認すべきポイントを整理する。
就業不能保険とは何か
就業不能保険は、病気やケガで一定期間以上働けない状態になったときに、毎月一定額の給付金を受け取れる民間の保険商品である。生命保険会社や損害保険会社が扱っており、加入は任意だ。会社員向けの「団体長期障害所得補償保険(GLTD)」を個人向けにしたようなイメージに近い。給付額は毎月10万円〜50万円程度の範囲で自分で設定でき、保険料は年齢や設定給付額、健康状態によって変わる。
加入前に確認すべき3つのポイント
検討する際は、以下の3点を必ず確認したい。
- 免責期間(支払対象外期間)——就業不能になってから給付が始まるまでの待機期間。60日型・180日型など商品によって異なり、短いほど保険料は高くなる。
- 給付の対象範囲——精神疾患やうつ病を給付対象に含むかどうかは商品ごとに差が大きい。含まれない、あるいは給付期間が短く設定されているケースもあるため約款で必ず確認する。
- 保険期間と給付上限——何歳まで保障が続くか、給付を受けられる期間に上限があるかを確認する。60歳までの短期タイプと、より長く続くタイプでは保険料が大きく異なる。
加入前に検討したい代替手段
就業不能保険は毎月の固定費が増える契約であるため、加入前に代替手段で十分でないかを検討する価値がある。第一に、生活防衛資金として生活費の6ヶ月〜1年分を現金で確保しておくこと。第二に、業務中や通勤中のケガであれば労災保険の特別加入制度が使える場合がある。第三に、小規模企業共済に加入していれば、契約者貸付制度を使って一時的に資金を借り入れることも可能だ。これらを組み合わせてもなお不安が残る部分を、就業不能保険で補うという考え方が現実的である。
まとめ
フリーランスには会社員のような傷病手当金がなく、働けなくなった瞬間に収入が途絶えるリスクを常に抱えている。就業不能保険はそのリスクに備える選択肢のひとつだが、免責期間・給付対象・保険期間の条件は商品ごとに差が大きく、保険料も安くはない。まずは生活防衛資金や公的制度でどこまでカバーできるかを整理したうえで、不足する部分を民間保険で補うかどうかを判断するのが順序として無理がない。
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