フリーランスを辞めて会社員に戻るときの手続き——廃業届の出し方と社会保険の切り替え

フリーランスを廃業して会社員に戻る際に必要な手続きを解説。廃業届の提出方法、税務上の注意点、社会保険・年金の切り替え、青色申告の取りやめ方も紹介します。

フリーランスをやめると決めたら、まず何をすべきか

独立して事業を続けた結果、収入が安定しない、体調を崩した、良い就職先が見つかったなど、理由はさまざまあれど「フリーランスをやめて会社員に戻る」という選択は決して珍しいことではない。ただし、開業したときと同じように、やめるときにも税務署・社会保険まわりで済ませておくべき手続きがいくつかある。ここでは廃業に伴う主な手続きを整理する。

税務署への「廃業届」の提出

  • 正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」:開業時に提出したものと同じ様式に「廃業」の欄を記入して提出する。提出先は納税地の所轄税務署。
  • 提出期限は廃業日から1か月以内が目安:明確な罰則はないが、放置すると翌年以降も確定申告のお知らせが届き続けるなど不便が生じるため、早めに提出しておきたい。
  • 青色申告をしていた場合は「所得税の青色申告のとりやめ届出書」も必要:翌年以降、青色申告を行わない場合に提出する。廃業届と同時に提出しておくとまとめて手続きできる。

消費税・インボイス登録をしていた場合の手続き

インボイス発行事業者として登録していた場合は、廃業に伴い「適格請求書発行事業者の登録取消届出書」を提出する必要がある。提出を忘れると、事業を行っていないにもかかわらず登録事業者として扱われ続けてしまうため、廃業のタイミングで忘れずに手続きしておく。

社会保険・年金の切り替え

  • 就職先が決まっている場合:入社日から勤務先の健康保険・厚生年金に自動的に切り替わるため、個人で行う手続きは基本的に不要。ただし国民健康保険・国民年金の資格喪失手続きは自治体窓口で行っておくと二重払いを防げる。
  • 就職先が決まっていない場合:引き続き国民健康保険・国民年金に加入し続けることになる。収入が大きく減る場合は、国民健康保険料の減免制度や国民年金の免除・猶予制度の利用を検討する。
  • iDeCo・国民年金基金に加入していた場合:会社員(厚生年金加入者)になると掛金の上限額や加入区分が変わるため、金融機関・運営管理機関への種別変更手続きが必要になる。

廃業年の確定申告を忘れずに

廃業した年についても、廃業日までの事業所得は確定申告の対象になる。会社員として給与を受け取り始めた場合は、年の途中までの事業所得と、就職後の給与所得を合算して翌年に確定申告する必要がある点に注意したい。廃業したからといって申告義務そのものがなくなるわけではない。

屋号付き銀行口座・事業用クレジットカードの整理

屋号付きの事業用口座やビジネス用クレジットカードを作っていた場合、廃業後も無理に解約する必要はないが、余分な固定費(口座維持手数料や年会費)が発生していないか確認し、使わないのであれば早めに解約手続きを進めておくと管理がシンプルになる。

まとめ

フリーランスをやめて会社員に戻る際は、廃業届・青色申告のとりやめ届出書の提出、インボイス登録の取消、社会保険・年金の切り替え、廃業年の確定申告という一連の手続きが発生する。独立時ほど手続きの数は多くないが、放置すると翌年以降の税務・保険手続きが煩雑になることがあるため、退職・廃業が決まった段階で早めに準備を進めておくことをおすすめする。

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